どろろ 第三話 「寿海の巻(じゅかいのまき)」

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「わしは再び生かされた」
捨てられた百鬼丸はその後どのように成長してきたのか。赤子だった百鬼丸がどのように成長したかを彼の養父の人生とともに描写される回。
戦国の世で命令とはいえ自分がやってしまった非情な行為に悔恨し苦しむ男。絶望した男はある日、身体の多くを失った赤子を発見するが…。

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目次

  1. 今回のあらすじ 
  2. 前半の内容(ここからネタバレ、ご注意下さい)
  3. 後半の内容 
  4. 感想 
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今回のあらすじ

今回は百鬼丸が捨てられてから一話でどろろに出会うまでのエピソード。
身体の多くを奪われ、捨てられた赤子の百鬼丸がその後どのように生き延び、戦いの方法を身につけたかを養父である寿海の人生とともに語られる。
赤子だという事を除いて人の助けを得られないと生活出来ない身体をしている百鬼丸。しかし、そんな彼の存在が戦国の世で生きることに絶望していた男に生きる力を与えるくだりが感動的である。

【ここからネタバレです。】


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前半の内容

 冒頭から結構残酷なシーンが続きます。
寿海さん、命令されるままに逆らう民を磔にした後、処刑したり、見せしめに身体の一部をちょん切ったりします。
(イタタタ……(;´Д`))

まるで、処刑マシーンのよう。ちょっと手が震えていましたが。

が、処刑された人の奥さんが夫の側に駆け寄ろうとしたとたん、その女性が寿海の目の前でばっさり他の侍に斬り殺される。
それを見た寿海は
『もう、あかん』
と心の中で何かの糸がぷっつーんと切れてしまう。

完全にメンタルをやられてしまった寿海さんは崖から海へ飛込む。

がが、寿海さん死にきれずにそのまま大陸(この頃は明かな)の船に拾ってもらい、しばらく向こうで暮らす。
何と、そこで義手や義足などの義肢を作る技術を習得してしまう。

その後、寿海さんは日本へ帰って手足を失った人の為に義肢を作るようになる。
その頃の日本では戦争に巻き込まれたり、クソ侍達にイチャモン付けられて切りつけられたりして、手足を失っている人が多かった。

寿海さんは傷口を手当し、義肢をタダであげていたので村人から先生と慕われる。

カナメという弟子もいる。

しかし、寿海さんの過去のせいでこの幸せも長く続かなかった。

実は寿海さんを慕っている弟子のカナメ(足が義足)は父親を寿海さんの元上司、斯波氏に殺されたのだった。(しかも磔にされた)
カナメはある日、村人から寿海さんが斯波氏の家来だったということを聞かされてしまう。
そのせいで彼は師匠が憎い父の敵側だと知り、態度を一変させる。

寿海から村人達の義肢を作るまでのいきさつを聞いたものの、カナメはどうしても寿海を師匠として慕うことは出来なくなり、敵意むき出しで寿海に襲いかかる。

怪我した子どもの手を取り付けるまで、殺すのは待ってくれと頼む寿海。とりあえずその言葉に従うカナメ。

義手を取り付けてもらって、寿海に感謝する子ども。

それを見て、カナメは寿海を殺すのを止めた代わりに
「あなたは俺を救えない」
という言葉を残し、寿海さんにもらった義足を外し、彼の元を去る。

弟子が去って涙に暮れる寿海。

そんなとき、川辺に赤ん坊を乗せた小舟が打ち上げられたのを発見する。
顔や目の無い赤ん坊を見て驚きく寿海。
おそるおそる赤ん坊を抱き上げる。

指先で口に触れると赤ん坊は乳を求めて寿海の指をちゅぱちゅぱする。
(このシーン、なんか百鬼丸がかわいい

寿海は赤ん坊が生きている事を知って驚く。
「生きたい…のか?」
と言って、目にじわっと涙が浮かぶ。
百鬼丸、寿海さんの父性本能をズキューンと撃ち抜きます。

一年後、百鬼丸の実家の醍醐家では百鬼丸の弟が生まれた。
跡継ぎが生まれたと高笑いする鬼畜父。
(なんだかなあ~)

お母様の縫の方は例の首の取れた仏像を見て、百鬼丸の事を思う。

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後半の内容

六年度、百鬼丸は寿海に義手、義足、義眼、義顔(?)を取り付けてもらって自由に動いていた。
川のカニを捕まえて食べようとするが、カニに顔を挟まれて、困ってしまう。
(か、かわいい♡♡♡)
その様子を見てうれしそうに笑う寿海パパ。

百鬼丸には寿海さんが白いフワフワに見えている。
(何か、親切な白いフワフワという認識なんでしょうか)

「わしは再び生かされた」
百鬼丸を育てながら寿海は思った。
しばらく寿海は百鬼丸を育てる中で穏やかで平和な時を過ごす。
(この父子のシーンはすごくほほえましい)

寿海は子どもに百鬼丸と名付けて、その名前の書き方を教える。(目が見えないのに字が上手!!)

ある日、百鬼丸は物の怪に襲われる。
異変を察した寿海パパがすぐに助ける。が、物の怪はその後ストーカーと化し百鬼丸につきまとう。

それで、寿海パパは自分が年老いて死んだ後の百鬼丸の将来の事を考え、彼に戦う方法を教え始める。
寿海さんに鍛えられ、剣捌きが上達し、余裕で物の怪を倒せるようになる百鬼丸。

寿海さんは百鬼丸が痛みを感じない身体であることに気づいていた。
それ故、他者の痛みを理解することが出来ないのでは無いかと、百鬼丸の人間性が心配になる。

一方、多宝丸と名付けられた百鬼丸の弟は両親の愛情を受け、何不自由なく育てられていた。
が、それでも彼は母がいつも拝んでいる首の無い仏像を見て、母の心が何かべつの何かにも向けられていることを何となく感じる。

ある日、百鬼丸はボス級の化け物を倒す。
すると、すぐに百鬼丸の身体に異変が起こる。
寿海が見ると、百鬼丸の右足の義足が外れ、生身の足が生えてくる。

物知りの寿海パパは誰かの願いを叶える代償として百鬼丸の身体が怪し達の贄になり、百鬼丸が身体の大部分を奪われたと推測する。

そこで、寿海パパは百鬼丸の両腕に刀を仕込む。

足手まといになりたくないお父さんは旅に出る百鬼丸を見送る。

寿海パパは
「結局、何もしてやれなかったな」
と言う。
(いえいえ、そんなことありませんよー!!)

寿海は百鬼丸が捨てられた時に添えられていたお守りを渡す。そんな百鬼丸は見送る寿海の顔に触れる。
思わず涙が出たパパはひしっと百鬼丸を抱きしめる。

と、回想シーンが終わり、どろろと琵琶丸がどろろの身体の秘密について話をしていた。
琵琶丸も寿海と同じような事を推測していた。
どろろは百鬼丸が誰かの願いを叶える為に身体の多くを怪しに奪われた事に怒る。

そんなとき、気を失っていた百鬼丸が起き上がり、火に近づき、薪を踏んづけてしまう。
熱さを感じて唸る百鬼丸。

前回、彼は感覚(痛覚とか)を取り返したのだった。
(前回のセミヌードシーンですっかり忘れていた(^0^))

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【感想】

寿海パパ、いい人です。百鬼丸の大恩人です。
こんないい人が上司の命令とは言え、残酷なことをしなければならなかったのは切ない。
罪人が本当に良心に目覚めたときから、今度はその罪人が一生自分の罪の意識に苦しむ。それが償いの始まりかもしれないけど。

カナメの怒りの矛先は寿海さんに向かっていたものの本当に悪いのは斯波氏だと言う事は理屈では分かっていたんだろうねえ。
しかし、斯波氏は強大過ぎて、目の前の師匠に憎しみをぶつける事しか出来なかった。
でも、自分の罪に苦しみ続け、民に義肢を与えている師匠を尊敬し、慕っている気持ちも消すことは出来ず、相反する気持ちを持つ事が苦しかったので寿海さんのもとを去ったのだろうな。

百鬼丸の存在が罪の意識一色に染められていた寿海さんの心に一筋の光を差し込んだような気がする。
誰かの支援が無いと生活出来ない身体の百鬼丸が寿海の心を救ったことは皮肉と言えば皮肉だけど、一つの人間関係を示しているなと思った。

それにしても、百鬼丸は赤ん坊の時も、幼い時もかわいい。
母性本能だけでなく、父性本能も刺激するとはお主なかなかやるな。( ̄― ̄)