BANANA FISH 6話 マイ ロスト シティ

スポンサーリンク

BANANA FISH #06 My Lost City マイ ロスト シティ

兄グリフィンが残したかもしれないバナナ・フィッシュに関する証拠を探すため、アッシュはしぶしぶ故郷へ還る。しかし、そこはアッシュにとって忌まわしい過去が始まった場所であった。そんなアッシュを久しぶりにあった父親はなぜか息子を拒否する態度をとるが。

スポンサーリンク

目次

  1. あらすじ 
  2. 前半の内容(ここからネタバレ、ご注意下さい)
  3. 後半の内容 
  4. 感想 
スポンサーリンク

あらすじ

アッシュって母親にだったのねと思うくらい、いかにも田舎のアメリカ~ンな父親が出てきます。
父親も悪い人ではないのですが、田舎の無学な一般人にはどうすることも出来ない悲劇が一家に降りかかりそのことでアッシュは父親と決定的な亀裂が入り、そのせいでアッシュの人生が大きくねじれる原因となる。

今回はアッシュと父親が和解できるのかどうかが、みどころでラストは今回も感動ものです。

【ここからネタバレです。】


スポンサーリンク

前半の内容

アッシュとグリフィンの故郷へ向かう一行。アメリカの典型的な田舎というふうな景色の中、マックスの運転で車を走らせていた。
しかし、アッシュはなぜかカリカリしている。
到着したとき、英二はアッシュの表情が暗いことに気づく。

アッシュの実家でお父さんが経営しているダイナー。
中には父親のジムと父親の彼女のジェニファーがおり、二人はアッシュの訪問に驚く。
父親は早速アッシュを
「今さら何しに帰ってきた!!」
とののしる。

アッシュは「グリフの残した物に用があるだけだ」と言って、アッシュとグラフが暮らしていた別棟の鍵を父親から受け取る。

「ふん!」
と言って感じの悪い父親はのアッシュの連れのマックスたちに「
お前達は何だ?」
と聞く。

何と説明していいか分からないので言いよどむマックス。
アッシュは一言
「友だちさ」
と言う。

父親の
「お前がたらしこんだのか」
の一言にマックスは怒り、
「あんたそれでも父親か!?」
と反発する。

が、父親はさらに
「俺の息子と寝るのならちゃんと金払えよ」
とさらに煽る。
父親につかみかかろうとするマックスを伊部さんが必死に止めた。

アッシュも冷静に
「こいつはこういう奴なんだよ」
と言ってマックスをなだめる。

アッシュは父親のダイナーを出る寸前、グリフィンが亡くなったことを伝える。
背中を向けて何も言わない父親。
さすがに父親の彼女のジェニファーも彼をとがめるが、父親は逆ギレする。

別棟に着いたとき、アッシュは皆に家族のいきさつを説明し始める。

この別棟の家でアッシュとグリフィンが生まれた。
実はアッシュとグリフィンは母親が違っていた。
(だから、年が離れていたのか)

アッシュの母親は略奪婚だった。
しかし、アッシュを産むとすぐに他の男と駆け落ちしたらしい。
そのうち、お父さんはジェニファーという新しい彼女を作ってダイナーがある家のほうで一緒に暮らし始めたので、
アッシュとグリフは別棟のこの家で二人きりで暮らしていた。

アッシュの話しを神妙な表情をして聞く一行。

そこに父親の彼女のジェニファーが、ランタンと食べ物を持ってきてくれる。
ジェニファーは
「あの人はあんな言い方したけど、あなたが帰ってきてくれて本当はうれしいのよ」
と言って、アッシュを慰める。

アッシュはジェニファーにお礼を言う。
ジェニファーは
「明日店に来てね。朝食を用意しておくわ」
と言って去る。
彼女の姿をほほえみながら見送るアッシュ。

英二はアッシュに頼まれて、ろうそくを取る為に引き出しを開ける。
と、鼠が出てきて驚き、ショーターに抱きつく。怒るショーター。
すると、伊部さんが手紙の束を見つける。
アッシュはこの家で手紙を書くのはグリフくらいだと言う。

さらに、一行はグリフの部屋へ行って探し始める。
アッシュは幼い頃の自分とグリフィンが一緒に映っている写真を見ている。

突然、アルバムを見ていた英二がグリフィンを撃ち殺したエイブラハムとグリフィンが一緒に映っている、彼らのイラク時代の写真を見つける。
マックスもその写真を見るが、その写真はグリフィンがマックスと一緒だった隊では無く、その前にいた隊では無いかと推測する。

マックスは名簿から男の名前、エイブラハム・ドースンと住所、ウエスト・ウッド・・・・・・と言うことを探し出す。

そのウエスト・ウッド何とかという住所は一話でゴルツィネによって殺された記者、スティーブ・ジョンソンが死の直前にアッシュに伝えた住所だった。

そこで、一行はロスにあるその住所へ行くことにする。
アッシュはすぐ出発したいというが、マックスは
「明日まで待て、俺たちを休ませろ」
と言って言い争う。結局、アッシュは渋々マックスの意見に従う。

車の中にある毛布を取りに行くために英二と一緒に外へ出たアッシュは二人で夕焼けを見ていた。
英二が
「いいところだね」
と言うと、アッシュは
「何もない所さ。風がいつも強い」
と言う。
アッシュの様子に英二はここが嫌いなのと聞くが、アッシュはしばらく沈黙してから
「考えたことない」
と言った。

早朝、英二はアッシュが銃を撃つ練習の音で目が覚め、外へ出てくる。
アッシュは英二に撃って見るかと聞くと、英二は目をきらきらさせて打っていいの?と喜ぶ。
しかし、英二はへっぴり腰でなかなか撃てない。
呆れるアッシュ。

仕方なく、英二に手取り足取り指導してあげる。
(うらやまし~( ̄△ ̄))
どうにか英二は撃つがやはり見事外してしまう。
そこで、伊部さんが「朝食が出来た」としらせにやってくる。
ショーターを呼びに行くためにその場を去る英二。

何か言いたげな伊部さんにアッシュは英二に銃を撃たせたことをとがめているのかと聞いた。
伊部さんはただ、アッシュと英二は違いすぎると言う。
アッシュは伊部さんに
「あんたはあいつを甘やかしすぎだ。だから自分の身を自分で守ることが出来ない」
(そのと~り)
と言い、伊部さんは日本では銃を持つ習慣は無いと反発する。
しかし、アッシュは
「ここは日本じゃ無い。誰かがあんたに銃を突きつけたとき、通用するか試して見るんだな」
と言い捨てる。

アッシュの言葉にがっくりした伊部さんは車の整備をするマックスの所へ行く。
マックスも伊部さんに
「あんたはあの坊やを甘やかしすぎだ」
と言う。そして、英二をアメリカへ連れてきた理由を聞く。
伊部さんは
「緊急避難さ」
と答える。

英二は才能ある棒高跳びの選手だったが、怪我をきっかけにスランプに陥り、さらに奨学金をもらっていたこともあり、ごたごたしてすっかり跳べなくなった。
伊部さんはかつて、英ちゃんを撮った写真のおかげでカメラマンとして認められたのだった。
いわば恩返しをしたくて、英ちゃんをアメリカへ連れてきたのだった。

マックスは伊部さんに、
「あんた、本当は英二のようになりたかったのだろ?」
と鋭く指摘する。
当たっているので少し赤くなる伊部さん。
伊部さんはロスへ着いたら俺たちは日本へ帰るとマックスに伝えた。

アッシュ達はダイナーで食事を済ますと、父親から今さらなぜ戻って来たと問われる。
さらにお前はここにいない方がいいとまで言う。
アッシュは車が直ったらすぐ出て行くといってダイナーを出る。

すると、英ちゃんはアッシュパパに怒る。
マックスはその場を収めながらも父親の態度に疑問を抱く。
マックスとグリフィンがイラクで一緒だったことを聞くと、ようやくアッシュパパはマックス達を信用し始め、アッシュの過去と自分がアッシュを拒否する理由を語り始める。

昔、アッシュの家の近くにアフガニスタン帰りの退役軍人が住んでいた。戦功をあげたのでちょっとした地域の名士だった。
その男は少年野球チームの指導をしていて、アッシュもその男から野球を習っていた。
しかし、アッシュが7歳の時、その男に乱暴された。

父親はもちろんアッシュを伴って警察に行ったが、警察は全く相手にしてくれず(加害者が街の名士だったので)、7歳の被害者に対して
「お前が誘ったのだろう」
とまで言った。
(うう最低!日本の警察でも実際そういうことをいう警察官がいるそうだけど)
それで、父親は仕方なくアッシュに今度誰かに同じ事をやられたら好きにさせろ、その代わり金を請求しろと言った。

沈鬱な面持ちで聞いている、マックス、英ちゃん、ショーター、ジェニファーたち。

が、8歳の時、アッシュは父親の銃を持ち込んで、その男を撃ち殺した。
そこでようやく警察が動き、男の家の地下室からゴロゴロと子どもの骨が見つかった。
その話を聞いてマックスは有名な事件『コッド岬の青髭』事件を思い出す。

その男は乱暴した小学生を口封じのために次々と殺していたのだった。
しかし、アッシュは金をもらっていたので男は彼が口外しないと安心していたので殺されなかった。

アッシュはもちろん罪に問われなかったが、小さい自治体で人の噂もあり、色々大変なので父方の叔母の所へ預けられることになった。
しかし、アッシュはそのまま家出してしまった。
(その後、ゴルツィネに誘拐されてしまったのね)

アッシュの過去を知ってしんみりする一行

スポンサーリンク

後半の内容

マックス達がダイナーから出て行ってから、怪しい男達がダイナーへ入ってきた。
別棟ではアッシュが戻ってこないことを心配した英ちゃんとショーターがアッシュを探しに行った。

大きな声で
「ア~シュ~!!!」
と叫ぶ二人。
(きゃ~やめて~(>o<))

すると、店仕舞いしているはずのダイナーに灯りがともっているのを見て、英ちゃんは勝手にアッシュがダイナーでお父さんと語り合っていると勘違いする。
(お願い~何もしないで~(;゜ロ゜))

ダイナーの窓辺に立って、中の様子を見ているアッシュ。
しかし、英ちゃんは大きな声で『ア~シュ~』と叫んでしまう。
(英二のドアホー!お前日本へ帰れー!!)

異変を感じていたショーターが慌てて英ちゃんの口をふさぐが、間に合わず、英ちゃんの呼び声のせいでアッシュが外にいることがバレ、ダイナーの窓越しにアッシュは撃たれそうになる。
(あ~あ(´д`))

銃声を聞いて、マックスと伊部さんも異変に気づき、外へ出る。
ゴルツィネの手下が来たことを知り、ショーターは英ちゃんを茂みに潜ませる。

男達はアッシュパパとジェニファーを人質にとった。
アッシュは仕方なく銃を捨ててダイナーの中へ入る。
男達はやはりパパディノの子分だった。
ゴルツィネの命令でアッシュを生け捕りにするため、彼に手錠をかけようとする男達。

と、その時機転を利かせたマックスが車のライトをダイナーの扉(壊れて取れている)があった開口部を照らし、
「警察だ!!」
と叫ぶ。
一瞬動揺する男達。
そのすきにアッシュは男の一人を蹴り飛ばす。
しかし、もう一人の男にジェニファーを撃ち殺され、お父さんを撃たれる。
(え~かわいそ~)
アッシュはすかさずジェニファーを撃ち殺した男を射殺する。

お父さんを撃たれて我を忘れたアッシュをもう一人の男がそっと忍び寄る。

が、ショーターが後ろからその男の頭を押さえ、首をかっ切る。
(さっすが、ショーター!)

騒ぎを聞きつけて、パパの友だちのハワードさんがやってくる。
アッシュパパはハワードさんに強盗だと説明する。
ハワードさんが救急車と警察を呼びに行っている間、パパはアッシュが使った銃を自分の服の布で拭ってアッシュの指紋を消した。
自分が撃ったかのように偽装する為だった。
そして、ショーターに(さっき使った)ナイフをジェニファーに握らせて逃げろと言った。

パパは始めてアッシュにほほえんだ。
そして、マフィアのボスにたてつくなんて、やるじゃないかとアッシュを褒める。
パパは
「グリフィンを殺したのは連中の仲間か?」
と聞き、アッシュはああと答えた。
アッシュの答えにパパは納得し、
「お前のやりたいようにしろ。」
と言った。

そのうち、パトカーのサイレンが聞こえ、アッシュパパは早く行けとうながす。

アッシュは後ろ髪引かれる思いで
「死ぬなよ!馬鹿オヤジ!」
と涙ながらに叫びながら、ダイナーを後にする。
息子のその様子にほほえんで見送るアッシュパパ。
アッシュは泣きながらマックスの運転する車に飛び乗り、ケープ・コッドからロスへ出発した。

一方、パパディノはチャイニーズマフィアのボス、王龍と手を結ぼうとしていた。
パパディノはヨーロッパのヘロイン市場の一部をチャイニーズマフィアに譲る代わりに、彼らの協力を取り付けた。
ロスにもチャイニーズマフィアの手下がいるので、王龍は末弟の月龍を貸すことにする。

一方、一週間近く車の旅をしていた一行は道に迷っていた。
たまたま道を通っていたおじいさんに道を聞くと、一行はとっくにロスに着いていた。
驚くマックスとアッシュ。
すこし高台に行くと、大都会ロスアンジェルスの夜景が広がっていた。

スポンサーリンク

【感想】

アメリカの田舎も日本の田舎と同じようないやな面を持っているなあ。加害者が権力者だったら警察は全然動かないところとか。
昔見たアメリカのドラマでも似たようなエピソードがあって、主人公が被害者の為に動こうとすると警察、政治家から色々と妨害されてというのがあった。(もちろん、最後は罪に問えた)

加害者が権力者やそれに近い所にいる場合、忖度した警察や検察が捜査しない、罪に問わない、政治家やマスコミ、権力者の信奉者たちが雑誌、番組、インターネットの書き込み等で被害者を悪者にしてする所は日本も同じだけど。

今回のシーンの中でケープコッドの地元新聞が大きく映るシーンが出てくるが、ニューヨークと違ってトップの記事が牧歌的で平和的な内容だった。それが、ケープコッドが普段は犯罪とは無関係の地域だということを示している。
しかも、何かあったときは通報すらしてくれない都会と違って、すぐ近所の人が駆けつけてくれるし。

しかし、そういうところでも残酷な事件が起こる時は起きてしまう。
いざ事件が起ると警察は無能、被害者は狭い人間関係の自治体からはじけ飛ばされてしまう。
日本の田舎も同じような性格をもっているけど、都会と田舎、どちらがいいのか、それとも犯罪は人間社会の宿命なのかなあとも思ってしまう。

それにしてもアッシュ~お父さんと和解出来てよかったねえ。(。>_<。)
またすごくいい人が犠牲になってしまった。ジェニファーには生きて欲しかったなあ。
けど、ラストでアッシュがお父さんの愛情を知ることが出来てよかった。
もしかして、天国のお兄さんの計らいかも。

お父さんは過去、幼い息子を助けられなかった事を後悔していたのでは。自分ではどうすることも出来なかった事に怒り、精神的に耐えられなかったので、その気持ちを封印し、アッシュに憎まれ口を叩いていたと思う。

期せずして息子の危機に居合わせ、今度こそ、息子を助けようとしたのでは。お父さんの満足げな顔はそれを表していたと思う。