BANANA FISH 1話 バナナ・フィッシュにうってつけの日

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高い知能と並外れた美貌を持つアッシュ。彼は17歳にして、地域のストリート・ギャング達まとめ上げているリーダーである。
そんな彼はある夜、銃撃され瀕死の状態の男を見つける。男からあるものを託された彼はそのことがきっかけに運命が大きく変る。

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目次

  1. あらすじ 
  2. 前半の内容(ここからネタバレ、ご注意下さい)
  3. 後半の内容 
  4. 感想 
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あらすじ

BANANA FISH #1  A Perfect Day For Bananafish バナナ・フィッシュにうってつけの日

バナナ・フィッシュとは



アッシュ・リンクス

悲惨で重い過去を持った17歳の少年アッシュは各ストリート・ギャングをまとめ上げているリーダーである。彼は、銃撃され瀕死の状態の男を見つける。男は死ぬ間際、アッシュにある物とある住所と「バナナフィッシュ」という言葉を残す。



コルシカマフィアのボス、ディノ・ゴルツィネ

そのことがアッシュの運命を大きく変えるきっかけとなり、コルシカマフィア、チャイニーズマフィア、アメリカ政府を巻き込んだ闘いに発展する。



奥村英二

一方、彼は奥村英二という日本人の青年と運命の出会いをしたことによって、心のあり方も変化していく。
そして、アッシュの自由を求めた壮絶な闘いと魂の救済への物語が始まる。

と、いう話ですが、何と原作は30年前に少女漫画雑誌で連載されていた漫画です。当時の少女漫画でこれだけのスケールの大きい話の漫画が連載していたのが驚きです。

また、この作品は児童に対する性虐待も描かれており、今はそういう問題は世間一般に周知されているが、30年前は子供に対する人権意識も薄く、小児性愛者やキッズポルノの存在など知らない人が多かったはずで、当時の読者はバナナフィッシュを読んでさぞ驚いたことだと思います。

そういう点では30年後の今、アニメ化されたのは逆によかったかもしれません。30年前だったら、原作に忠実に描くことが出来たかどうか怪しい。今なら、多分、大人達に食い物にされている子供達のエピソードは省略やぼかすことなく描かれると期待しています。

天罰を受けるクズども(一部抜粋)

原作では露骨な性虐待シーンは無いので、その点に関してはトラウマを持つ心配は無いです。原作者の他の作品でも、性被害に遭った者たちが加害者どもに胸の空くような反撃をするエピソードが結構描かれていて、セクハラにあって嫌な思いをした女性は気分よく作品を楽しめます。

バナナフィッシュでも、クズキャラはことごとく成敗されるので安心してください。

アッシュがとにかくクールで、マフィアやアメリカ政府相手に頭脳を駆使して渡り合うところが面白いです。それだけでなく、話が進むにつれ悲惨な過去を持っているアッシュが英二に徐々に心を許していき、弱い部分をさらけ出していく、そういう二人の関係性も女性ファンの心をわしづかみした理由になっています。

原作者が女性ということもあって、萌えとかは一切ないし、数少ない女性キャラもしっかりしている人なので、このアニメは女性にオススメです。エピソードが結構ハードなので家族と見るのは苦しいですが、一人でアッシュの活躍と英二と愛をはぐくんでいく様を堪能してください。(笑)

女性ファンが多そうなバナナフィッシュですが、やはり勝ち目の無い巨大な相手といろいろ繰り広げられる攻防も大きな見所でBLっぽいのが苦手で無ければ男性が見ても面白いと思います。

【ここからネタバレです。】


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前半の内容

冒頭は砂漠の戦場のシーンから始まる。
夜間、アメリカ軍人らしきグループが軍で出回っているたちの悪いドラッグについて噂話をしている。

そこで、グリフィン・カ-レンリースという仲間の一人が戻ってくる。
仲間達がおしゃべりしている間、グリフィンは銃を取り、いきなり乱射し始める。
次々と凶弾に倒れるアメリカ兵達。
が、グリフィンの友人のマックスが彼の足を撃ち、制圧する。

マックスはグリフィンに声をかけるが、グリフィンは正気を失い、ただ「バナナ・フィッシュ」という言葉を口にするだけだった。


場面が変わってニューヨーク。金髪の少年がいかにも治安の悪そうな裏路地を歩いている。そこに足下のおぼつかない男を見つける。
男は銃で撃たれ重傷だった。彼は少年に何かを渡し、そして、「ロサンジェルス、ウェストウッド、…」と何かの言葉を伝え、動かなくなる。(多分絶命)男の言葉の内容にアッシュは驚く。

そして、少年の手下二人が男を追いかけてくる。少年の姿に驚く二人、少年は激しく二人を問いただす。
二人は「俺たちはディノに頼まれたんだ。」と申開きする。その時、パトカーのサイレンが近づいてきたので、少年は手下を逃す。

日が変わって、コルシカマフィアのボスであるディノ、ディノ・F・ゴルツィネの屋敷を昨日の少年が訪ねる。ディノの部下であるマービンが迎える。アッシュと呼ばれた少年の横柄な態度に腹を立て、
「もう映画撮らないのかい?」
「俺はおまえのファンだったぜ。」
と下卑た表情でからかう。

(この言葉の意味は2話で明らかになる。)
「お前はゲス野郎だ、白豚マービン。」
と軽くあしらうアッシュ。

部屋に入るとパパディノは朝食を食べていた。
怒りをあらわにするアッシュ。

アッシュの手下にアッシュに黙って人殺しをさせた事を責める。
穏やかにアッシュをなだめ、アッシュが部下のしたことに気づいたことに感心するパパディノ。
実はアッシュは例の手下二人の様子がおかしかったので、目をつけていた。

ディノ「さすがだ。やはり私の見込んだ通り、お前は人の上に立つ人間だ。」
(アッシュの肩に置いた手の動きが怪しい。)

ねちねち絡んでくるパパディノに憎まれ口をたたくアッシュ。

ディノ「昔は仕事の度にひーひー泣きわめいていたものだったが、忘れたか。」

(勘がいい人はもう気づいているかもしれないが、この言葉の意味は2話で明らかになる。)
(さっきのおっさんもこのおっさんもアッシュが嫌がる事を言って、いたぶろうとしている。)
アッシュも負けずに皮肉で返す。

最後にパパディノは
「忘れるな。お前を拾ってやったのは私だと言うことを。」
と言って、またまたヤラシイ手つきでアッシュに触るパパディノ。

ディノ「愛しているよスイート・ハニー。」
(げげ。このシーンでこの二人の関係が何となく分かってくるような。)

場面が変わって、アッシュは友人のショーターと話している。
アッシュがディノの所へ行ったことを知り、ショーターがマービンは金髪グリーンアイ好きのゲイなので気をつけろよと言う。

自宅に帰るアッシュ。子分のスキップが出迎える。
(スキップの様子からアッシュはこの子供に慕われているのが分かる。)
スキップはアッシュの依頼で細々した用事を請け負っているらしい。

スキップから日本からの雑誌の取材が来る事を聞く。この取材は警察が仲介に入っている。
最後にスキップから今回の件は”オーサー”が絡んでいるという噂があると聞かされる。
(オーサー?誰それ?って思われるが、もうすぐ出てくるよ。)

パパ・ディノが優雅に蘭に水をやっていると、天然パーマの博士風の男が温室に飛込んでくる。
注意するパパ・ディノ。
男「あれが、無くなっている~。」
んという顔をするパパディノ。

場面が変わって、アッシュの家。
アッシュはポケットから取り出したロケット、(冒頭で殺された男から受け取ったもの)を見つめている。
中を開けると、瓶に入った白い粉が…。
アッシュはアパートのもう一つの部屋へ入る。そこには車いす上のグリフィンの姿が。

アッシュ「あんたがうわごとみたいに言っているバナナ・フィッシュって誰だ。」
アッシュは殺された男の最後の言葉を思い出す。

男「バナナ・フィッシュに会え。」

アッシュ「そのバナナ・フィッシュって奴があんたをこういう風にしたのか?グリフ。」
相変わらず、廃人状態のグリフィン。

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後半の内容

英二と伊部さんが空港に到着する。
後半でやっと大きなお目目のヒロインが青空をバックに登場!!

すぐに場面が変わって、アッシュはパパ・ディノのバシリをした二人の手下にお仕置き。
ただ、銃で脅して、組織から追い出す。
(命だけは助けてあげる優しいアッシュ。)

アッシュは手下達にパパ・ディノの所へ行きたかったらいつでも行けと言う。
そして、「そうだろ、オーサー。」
と側の男に言う。

スティング…ではなく、悪役オーサーがついに登場。
一応、アッシュの子分らしいが、険悪のムードの二人。
オーサーは裏でパパ・ディノと繋がっており、それはとっくにアッシュにバレていた。

オーサーは以前アッシュに指に大けがを負わされたらしい。
そのことを恨みに思い、アッシュを倒そうと決めている。

また、場面が変わって、アッシュは町医者の所にいる。
グリフィンの薬をもらいに来たついでに、例の男から受け取った白い粉の分析を頼む。

またまた、場面が変わって、パパ・ディノ邸。
とうとう、警察からの情報により、パパ・ディノの大事なあの「白い粉」を盗んだ男が最後に会っていたのがアッシュだとバレる。
そこで、パパ・ディノはアッシュが「白い粉」を持っているかどうか、当人に確認してみる。

速攻、呼び出されるアッシュ。
アッシュに訊くが、意味ありげな顔をしてとぼけるアッシュ。

忌々しげに、帰るアッシュを見るマービン。そこへオーサーが姿を現す。
悪巧みをマービンに持ちかけるオーサー。

一方、矢部と英ちゃんはニューヨーク市警に到着し、「CSIニューヨーク見た~い!」とのんきに感動している。
市警の別室では最近、連続して起こっている変死事件に関するスライドを刑事達が見ている。

死者は貿易商、不動産ブローカー、ナイトクラブのオーナーと職業もばらばらで自殺する理由が無かった。
頭を悩ますジェンキンズ警部。

そんなとき、英ちゃん一行が到着する。
矢部と挨拶するジェンキンズ警部。矢部はマックス(あれ、冒頭に出てきた人ですねえ。)を頼って、ストリート・ギャングの取材をするニューヨークに来たが、マックスが刑務所に入ってしまっていた。そこで、マックスの友人のチャーリー・ディキンソン刑事が代わりに手を貸してくれることになった。

(マックスとチャーリー刑事はポリス・アカデミーからの友人と言っていたが、マックスは従軍後、警官になったことがここで示唆されている。)

ジェンキンズ警部に子供と間違われる英ちゃん。

(アジア人キャラ、あるあるですね。)

なんと、取材相手はアッシュだった。
実はアッシュは17歳で、彼は白人でありながら、プエルトリカン、メキシカン、アフリカン、などの違う人種のギャンググループを統率している、近隣のストリート・ギャングのリーダーだった。

一方、自宅に帰ったアッシュは一見変わりないように見える部屋が家捜しされた事に気づく。
パパ・ディノの焦りを確信し、例の”白い薬”の重要性を確信する。

パパ・ディノ邸でアッシュのアパートから何も見つからなかった事を報告するマービン。
パパ・ディノはマービンにアッシュを痛めつけていいから例の物のありかを吐かせろと命令する。
(マービン、ラッキー!!と思う。)

パパ・ディノの命令のおかげで、アッシュ打倒がしやすくなったので喜ぶオーサー。
マービンとオーサーは手を組むことにする。
↓ ↓ ↓
↓ ↓ ↓

■話を整理すると■

謎の男は

パパ・ディノから

何か重要な物(ロケットに入っていた白い粉)を盗み、逃げ出した。

この時点で、パパ・ディノは盗まれた事は知らないがオーサーに男を始末するように依頼する。

オーサーがアッシュに黙って、アッシュの子分に男の始末を命令する。

子分達が男を捜す。子分の様子がおかしい事にアッシュが気づき、子分を監視する。

子分が男を見つけ、銃撃する。

逃げようとする男は子分を見張っていたアッシュに遭遇し、彼に”白い粉”を託し、「バナナ・フィッシュ」という言葉とある住所を伝えて、絶命。

とうとう、パパ・ディノは男が”白い粉”を盗んだ事を知る。
さらに、警察の内通者情報により、男が最後に会っていた人物がアッシュだという事もバレる。

パパ・ディノが男から”白い粉”を受け取ったかどうか、アッシュに確認するが、彼の様子に”白い粉”を持っていることを確信する。

パパ・ディノはアッシュから”白い粉”を取り返すように、マービンに命令する。

パパ・ディノの命令を利用して、アッシュを始末しようとするオーサー。
マービンのほうはどさくさに紛れてもっと悪いことをしようと思っている。

アッシュ、ピーンチ!!

 

■話の整理、終わり■

場面は変わって、グリフィンを診察している町医者のメレディス先生。
アッシュ兄のグリフィンはイラクで悪質な麻薬をやったせいで廃人になり、復員軍人病院に入院していた。

しかし、メレディス先生は未だにフラッシュパックを起こすグリフィンの症状が自分が見聞きしてきた麻薬中毒患者には無かったと言う。
また、グリフィンがよくつぶやく「バナナ・フィッシュ」と言う言葉はサリンジャー(アメリカの作家)の作品に出てきて、そこではバナナ・フィッシュとは見ると死にたくなるという、死を招く魚らしい。

「死」と言う言葉に反応するアッシュ。

そして、時は変って、伊部さんと英ちゃんがアッシュのいるバーに取材しにくる。
刑事さん達は外で待機。
スキップが明るく案内してくれるが、バーの異様な雰囲気にビビる二人。

アッシュに紹介されるが、彼の迫力に気圧される日本人二人。
伊部さん、とりあえず撮影に入る。

またまた、英ちゃんは子供に間違われ、アッシュにからかわれる。
英ちゃんはちょっとムッとする。
(まあ、ラブラブカップルの最初の出会いなんてこんなもんかな。)

子分とおしゃべりしているアッシュの背中を見て、彼の銃を見つける英ちゃん。
なにせ、田舎から来た日本人なので銃なんか初めて見る英ちゃん。
英二「その銃本物?」
何言ってんだこいつという目で英ちゃんを見るアッシュ。

さらに、英ちゃん、チャーミングポイントのクリクリお目目でちょっともたせてほしいとおねだりする。
場の空気が一気に凍り付くが、アッシュはついつい叶えてあげる。
(子供に見えるのは得ですね~。って、英二、お前のほうが年上やろ。)

初めて触る銃に感動する英ちゃん。
さらに、アッシュに
「人を殺したことある?」
と爆弾質問。

アッシュ、淡々と
「あるよ。」
と答える。

英ちゃんは
「やっぱり。」
と言う。

アッシュは英ちゃんに
「ガキだな、あんた。」
と皮肉げに言う。
そして、アッシュは伊部さんのインタビューを受け始める。

スキップはすっかり英ちゃんの事が気に入り、飲み物をおごってくれる。
それが、マリブコークだったので、思わず吹き出す英ちゃん。

そんなとき、ショーターから危機を知らせる電話がくる。
(って、ショーター、電話が遅いわ!)

ショーターからの電話からすぐ、オーサーの昔の仲間が殴り込みに来た。

見事な跳び蹴りをくらわすアッシュ。
(かっこいいー!!)

伊部さんはテーブルの下に潜り込み、役立たずの刑事達はさわぎを聞きつけて来るが、全然収まらない。

英ちゃんとスキップはカウンターの中へ引っ込む。
が、英ちゃんが顔を出したため、見つかる。(あほじゃのう。)

ナイフを突きつけられる英ちゃん。
が、スキップがやっつけてくれて、秘密の出口へと英ちゃんを連れ出す。
アッシュはオーサーがスキップをさらいに仲間をよこしたことに気づき、スキップの跡を追いかける。

秘密の出口から出たとたん、待ち伏せしていたオーサーの仲間に捕まる。

車に押し込まれ、追跡できないように携帯を捨てられる、英二とスキップ。
そのまま拉致される。

狙いを定めるアッシュ。

(キャー、すてき~!!)

バ~ン!

オーサーの仲間に命中する。
目の前で人が射殺されるのを見て、ビビる英ちゃん。
(これは、ほんの序の口だからね。英ちゃん。)

アッシュは駆けつけてきたショーターからバイクを借り、二人の後を追いかける。
オーサーの仲間はわざとアッシュをオーサー達が待ち伏せしているアジトへ誘い込む。

いかにも、犯罪の舞台になりそうな廃墟。

アッシュを待っている悪人二人。
オーサーはアッシュを殺す気満々。
マービンはアッシュに悪いことをする気満々。
アッシュ、ピーンチ!!

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【感想】

一話からこれでもか、これでもかというくらいテンコ盛りの内容だった。これで、原作を知らない視聴者の心もガッチリ掴んだかな。(笑)

原作は30年以上も前に少女漫画雑誌で連載が始まった漫画だけど、古さを感じさせない。当時の少女漫画でヴェトナム戦争とか児童虐待とかアメリカの闇なんかを素材にしたものを連載するのはなかなか編集社側との攻防が大変だったのではないかと思う。単行本の一巻の時点でアッシュはあんまり美形じゃなかったし…。

当時、バナナフィッシュの作者だけでなく、たくさんの少女漫画家の先生たちが売れ筋狙いの甘々な内容の少女漫画だけを描くことをよしとせず、編集社側と闘いながら、自分たちが絶対に描きたいという思った色々な作品を世に出してくれたおかげで、今の漫画やアニメの多彩ぶりがあると思う。ひたすら感謝です。m(_ _)m

原作を読んだ人は動くアッシュを見られただけでも感動してしまう。金髪、グリーンアイという設定のアッシュがアニメ化で色が付いたおかげで、より彼の美貌が引き立ち、ひたすらうっとりしてしまう。着色も輪郭線が淡い色で描かれ、金髪の柔らかい感じがとてもよく表現されている。アクション時の動きもかっこよかった。

原作未読の場合は17歳の少年がマフィアのボスに対抗するという無謀な戦いをしているので、だいじょうぶかな~と心配したり、一話の時点では登場人物達の台詞の意味が分かったりするが、二話、三話と進むうちにいろいろなことが分かったり、これからマフィア以外の敵キャラが出て話が壮大になってきたりするので、楽しみにして欲しいと思う。