どろろ 第一話 「醍醐の巻(だいごのまき)」

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「お前、生きたいのか」
戦乱の世の中、父親によって鬼神に身体の多くを奪われて生まれた百鬼丸。身体を取り戻す旅の途中でどろろという名前の孤児と出会い、一緒に旅をする。しかし、鬼神を倒す旅は過酷を極め、戦乱の非常な世は身体を取り戻すにつれ、百鬼丸に苦悩をもたらす。

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目次

  1. どろろ とは
  2. 今回のあらすじ 
  3. 前半の内容(ここからネタバレ、ご注意下さい)
  4. 後半の内容 
  5. 感想 
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どろろ とは

手塚治虫先生のマンガ、「どろろ」のアニメです。
また、「どろろ」の主人公は百鬼丸という少年で、“どろろ”は百鬼丸と旅をするヒロイン(笑)の名前でもあります。
(原作では一応ヒロインですが、ツインエンジンのサイトでは少年とあって…どっちだろう(汗))

↑百鬼丸

↑どろろ

1967年週刊少年サンデーで連載されましたが、独特の内容が当時の少年漫画の読者に合わなかったのか、話の途中で打ち切りになりました。その後、1969年アニメ化されたものの、ラストはアニメオリジナルの内容だったそうです。

そして、2019年にあのBANANA FISH を制作したMAPPAがリメイクしたのが、このアニメです。

ビジュアルが現代風にアレンジされ、百鬼丸は無垢な感じのイケメンになっています。どろろも面倒見のいいかわいい少年風の容貌をしています。

ストーリーは父親のせいで身体の多くの部分(11カ所)を失って生まれた主人公の百鬼丸はその姿ゆえ、父親に捨てられるが、養父に拾われて育てられる。この養父に義足・義手等を与えられ、戦う方法を教わります。百鬼丸は自分の身体を取り戻す為、身体を奪った鬼神を倒す旅に出ます。

そして、その旅の途中でどろろという子どもと知り合い、一緒に旅を続けるが、その過程で色々な人との出会い、身体の一部を取り戻していく過程で皮肉にもいろいろな苦悩を知っていくという内容です。

とにかく、百鬼丸が無垢でイケメンな少年で女性ファンの心まで斬っていきそうな感じです。また、ヒロイン?のどろろは元気で何かと百鬼丸の面倒を見る様子がすごくかわいいです。
この二人、とにかく母性本能を刺激しまくってきます。

話はダークファンタジー時代劇の雰囲気ですが、どろろの明るさのおかげで作品じたいそんなに悲壮感を感じないです。
ただ、ストーリー上、流血シーンや悲しいエピソードが多いので苦手な人は避けた方がいいと思います。

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今回のあらすじ

一話目は主人公の百鬼丸の出生のシーンから始まる。父親の野望のせいで主人公は身体の大部分を失ってしまう。
が、観世音菩薩と当人の「生きたい」という強い思いのおかげで生き延びる。
そして、16年度、成長した彼は義足、義手、仮面を装着し、旅をしていた。そこで、「どろろ」という子ども(多分♀)と出会う。

一話は百鬼丸の出生と宿命、どろろとの出会い、主要人物の紹介の為の登場のシーンがあり、結構めまぐるしくシーンが変わっていた。
作品全体はダークファンタジーと言っていいほど、シリアスな内容だが、一話目はそんなに暗くなく、作品の説明のような回である。一話目から最初の鬼神との戦いがあり、アクションや殺陣もなかなかすばらしい。

【ここからネタバレです。】


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前半の内容

15世紀の日本、ある大きな武家屋敷でそこの奥方がいままさに出産に臨んでいた。
部屋の外では夫らしき男が出産を待っていた。男の額には十字の傷がある。

男は醍醐景光(だいごかげみつ)といい、加賀国守護、富樫政親の配下の石川郡の領主である。
が、領地は天候不順と流行病で荒廃していた。

子どもが生まれる前、景光は鬼神とある取引をすることにした。
醍醐景光が地獄堂という鬼神の像が安置されている場所へ行くと、お坊さんが鬼神と契約しないように説得するが、景光はお坊さんをばっさりと斬り殺す。

そして、12体の鬼神の像たちに向かって、
「もし、我が領土を守護し、我に天下を握らせるのなら、我が手に入るものをやろう。何でもだ。そなたたちの好きなものを取るがいい」
と宣言する。
すると地獄堂に雷が落ち、額に十字の傷が入る。

そして、いよいよ景光の妻が出産する。
妻の縫の方は観世音菩薩に祈る。

無事、赤ん坊が生まれるが、突然雷がその赤ん坊に落ちる。ついでに縫の方の観世音菩薩の像にも落ちる。
景光は額の傷に痛みが走る。

落雷後、侍女達の様子がおかしかったので、様子を見に縫の方の部屋へ入る。

縫の方はにっこりして男の子が生まれたと言った。
景光も世継ぎが生まれたことによろこび、赤ん坊を抱き上げお包みを広げて息子をみるが、その赤ちゃんの姿は…。

顔も耳も手足も皮膚等が無かった。
生まれたときは普通の姿をしていたが、落雷後そんな姿になったのだった。

景光は鬼神が取引に応じ、彼らが引き替えに奪ったものを知った。
そして、自分の願いが叶うと知り、高笑いした。

縫の方はどんな姿でも子どもはかわいかったが、景光は産婆に赤ん坊を捨てさせた。
そして、子どもを奪われて泣き叫ぶ縫の方に
「あの子は諦めろ」
「また、息子を産んでもらう」
とか、鬼畜父ぶりを発揮する。

と、景光は縫の方が奉っている観世音菩薩の像の首が取れていることに気づく。
実は赤ちゃんは命も奪われるところだったが、観世音菩薩様が身代わりになって、命を救ってくれたのだった。

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後半の内容

一方、赤ちゃんを川へ捨てにいった産婆は
「こんな事は慣れっこのはずだが….」
と沈んだ口調で言いながら、赤ちゃんを川へ沈めようとする。
(昔の産婆さんは出産の手伝いだけでなく、堕胎や間引きと言って、親に必要とされなかった嬰児を殺す仕事もしていた。(O_O)ああ、日本残酷史…)

が、赤ちゃんが眼窩から血の涙をながし、口が動き、頭の周辺に血管が延びてきた。
「お前、生きたいのか?」

産婆は赤ちゃんの生きる意思を感じて、彼の運命は運任せにしようと沈めるのを止めて、小舟に彼を乗せてそのまま流す。

産婆はその後すぐに落ち武者風のガイコツ妖怪に食われてしまう。そこに偶然、盲目の法師、琵琶丸がいあわせる。
妖怪は琵琶丸にも襲いかかるが、手練れの琵琶丸、琵琶に仕込んだ刀で妖怪を一刀両断する。

彼は盲目だが、人や妖怪をゆらゆらと揺らめく炎や淡い光のような形で見る(感じる?)事が出来る。悪い妖怪は赤色に見える。
妖怪退治後、船の上の赤ん坊が見えるが、赤ん坊は妖怪か人間か分からないような色をしていたので、琵琶丸は船が動くままに任せて、あえて赤ん坊を手にかけないことにした。

16年後、鬼神との取引により醍醐景光の領地は繁栄していた。
戦場跡で樹海という男が手足を無くした死体に義手、義足を付けてあげていた。

場面が変わって、一人の子どもが路上販売をしていた。が、そこへ人相の悪い男達がやってくる。
子どもは「どろろ」という名前で盗賊から盗品を盗み、売っていたのだった。
男達に追いかけられるどろろ。

が、河原で捕まり、ボコボコにされてしまう。が、男達に反抗的な態度を取るので、簀巻きにされそうになる。

そんなとき、男達は橋の上に立っている奇妙な少年を見つける。
奇妙な少年が自分たちを見ていると勘違いし、少年に絡む男達。

が、少年は男達を見てなく、どろろと男達の後ろにいる妖怪を見ていた。
突然、ぶよぶよしたアメーバーみたいな妖怪が男達を襲い食ってしまう。

どろろも妖怪に捕まるが少年に助けてもらう。

そして、少年は両手の義手を取って、腕に仕込んでいる刀で妖怪を倒す。

どろろ(多分♀)は感動し、少年に義手をはめてあげる。(このシーン、どろろがとてもかわいい!!)
彼女は少年の顔と目も作り物だと気づく。

が、突然少年が苦しみ始め顔を押さえる。少年の顔からお面が落ち、皮が無かった顔に皮が復活した。

その時、鬼畜父の景光は異変を感じ、地獄堂へ行ってみると鬼神像の一つが割れていた。衝撃を受ける景光。
鬼神が倒れたために、領地の山が地崩れを起こした。

一方、奥方の縫の方はその後、もう一人、多宝丸という男の子を産んでいた。(お母さん、全然老けてなーい!!弟君は父親似ですね)
多宝丸の成長によろこびつつも、縫の方は最初の息子を忘れられずにいた。

場面が変わって、戦場跡で顔のつぶれた死体にお面を被せて上げていた樹海は
「百鬼丸」
とつぶやく。

どろろの方は少年の顔の変化にすっかり驚いていた。
が、少年自身も自分の顔が復活したことに驚いていた。

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【感想】

MAPPAさん、見事にリメイクしてくれました。すばらしいです!!
BANANAFISHと同じようにキャラクター達のビジュアルが今の視聴者が受け入れられるようにアレンジされて違和感無く見られました。
元々、原作未読なせいか、百鬼丸の造形はこっちの方が原作に比べて好みですね。
百鬼丸、イケメ~ン♡。

当時の読者にとって、どろろはダークファンタジーというか、ダーク時代劇という世界観と百鬼丸の義手や義足という設定は衝撃が強かったらしいです。

でも、今は漫画でもアニメでも身体の一部が無かったり、途中で失ったりするキャラクターは普通にいるので、一話を見てもふ~ん、そういう設定なのねって感じですね。昨今の鬱展開アニメに比べたらどろろの世界観なんて、かわいいもんです。
それよりも、ヒロイン?のどろろの元気よさにアニメの雰囲気が大分明るくなっているなと思います。

BANANAFISHも”どろろ”も、今の時代だから、やっと原作の中にあった人間社会の闇の部分を省くことなくアニメ化出来たのだろうなと思います。MPPA版ラストが楽しみです。